勉強会後半は薩摩焼、主に苗代川焼についてのお話でした。
今では龍門司焼などで有名な薩摩焼ですが、もともと薩摩に
焼物があったわけではなく、戦国時代に朝鮮から連れて来られた
陶工たちによって独自の発展を遂げてきたそうです。
最初は白土に絵付けをして貴族向けのものだけを作っていた
薩摩焼。のちに庶民向けの日用雑器としての「黒薩摩(くろもん)」
が発展しました。
薩摩焼のお話で印象に残ったのは、日用雑器として作られた
土瓶の足についてです。
薩摩は幕末まで軍事産業に力を入れていたため、庶民の生活は
とても貧しく、住居は他の地域のように板の間中心ではなく
ほとんどが土間のような空間だったそうです。
そのような暮らしに合うよう、当時の土瓶の足は土間に合わせ
先が尖っていました。沖縄など、板の間の生活が中心の場所で
作られる土瓶の足は、板が傷つかないよう薩摩に比べて丸みを
帯びているそうです。
まさに暮らしと密着した日用雑器。
沈壽官窯、苗代川窯のことはほとんど知りませんでしたが
それぞれの窯にまったく違う歴史と特徴があることを知り
ますます父の故郷である鹿児島に魅力を感じることができました。
その土地の自然との結びつきはもちろんですが、それだけでなく
その土地の歴史、そのものが生まれた背景や社会性も含めて
ものを見ることの大切さを実感しました。
勉強会に参加するたびに、久野さんのように自らの足と目で
会得した知識を十分に語ることのできる人が他にいるだろうか、
今後存在するだろうか、とつい心配になってしまいますが
久野さん自身もそれを憂いて現在後進のために一生懸命活動
されているので、少しでもそれをお手伝いできるよう、今後も
知識を深めていきたいと思いました。

写真:沈壽官窯の土瓶。もやい工藝ブログより
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