2014年5月31日土曜日

奇跡ふたたび





まさかまた新しい命を宿すことになるとは。

思いもよらないことでしたが、予定日は父の命日の3日後。
一周忌を迎える頃に、また新しい命がうまれるなんて
天の思し召し、というか父と麓の思し召しとしか思えません。

6年前の9月9日、初めての妊娠で産婦人科を受診したとき
ぴこぴこ、と動く小さな小さな心臓を見て涙を流したことを
今でも覚えています。

あれから6年。本当にいろんなことを経験して迎えた
4度目の妊娠。今までとはまた違う感動。

また新しい命と出会えたのは、あたたかく見守ってくれた
友人たちと家族、そして誰より夫のおかげ。
6年間でこんなにも命を宿すありがたみを感じられる
ようになったのは、麓のおかげ。
私が笑顔で毎日を過ごせるのは二人の子供たちのおかげ。

二人子育てしながらの妊娠はなかなか大変ですが
少しずつ膨らんできたお腹にものすごい愛おしさを
感じながら過ごしています。
ああ、本当に私たちのところに来てくれてありがとう!



来年は息子が描く絵も人数が増えるかな。
あと5ヶ月、お腹にいっぱい愛情を注ぎたいです。

2014年5月17日土曜日

手仕事の日本めぐり:青森


ようやく東北への旅がはじまりました。

「手仕事の日本」で柳宗悦は「東北人の暮らしには
非常に富んだ一面のあることを見逃すことが出来ません。
そこでは日本でのみ見られるものが豊かに残っているので
あります。従ってそこを手仕事の国と呼んでもよいで
ありましょう。」と述べ、かくも手仕事が残っている
理由を3つ挙げています。

ひとつは中央の都から遠いため。
ふたつめは気候や風土のため。
みっつめは雪の季節が長いため。

「東北は日本にとって実に大切な地方であります」と
語られるほど手仕事が豊富であった東北地方。今では
どんな手仕事が引き継がれているのでしょうか?

まずは青森に足を運んでみたいと思います。

青森といえば「こぎん刺し」。
北国の農民が麻しか身につけることができなかった
江戸時代、布の隙間を埋め少しでも保温性を高め、
かつ丈夫で長持ちさせるための知恵としてこぎん刺しが
生まれたそうです。そこからこんなに美しい模様が生まれる
とは!日本人の女性が持っていたセンスと創造力には
驚くばかりです。
子育てが落ち着いたら挑戦したいことのひとつです。





さらに自然をそのまま生かした手仕事といえば編組品が
頭に浮かびます。

疲弊していく編組品も多いなか、日々注文に追われる
のが「宮本工芸」。
ここでは現在社内外で約25人の職人さんと契約し、
積極的に育成も行っているそうです。
一人で製作を続けるだけではなかなか継続されない
手仕事の現状を打破する新しいスタイルの生産体制が
必要とされています。

買い物かごとして人気の高い山ぶどうやあけび蔓。
使えば使うほど味の出る手さげをもって買い物に
行きたいものです。

そして青森といえばりんご。りんごの収穫には今でも
竹かごを使う方が多いそうです。一時はプラスチックに
取って代わられそうになったのですが、強靭で粘性の
ある根曲竹のかごのほうがりんごの肌を傷めないのだ
そうです。
また、養殖したホタテを湯につけて蒸したりする際にも
竹かごが使われるとか。
まさに暮らしのなかで生まれた美しいもの。

昭和5年に生まれ、若い頃から竹製品の制作・販売に
携わってきた三上幸男さんの記事が手仕事フォーラムの
サイトでお読みいただけます。

農業・漁業が機械化されていく中で減りつつあるかごの
需要ですが、日々の暮らしに取り入れることで日本の大切な
伝統が受け継がれていくことでしょう。





我が家で使っているあけび蔓のかごは秋田県のものですが
本当に丈夫で子供が入って遊んでもなんのその。

写真と参考文献:民藝の教科書4 かごとざる

2014年5月11日日曜日

鹿児島 2014





鹿児島は阿久根にやってきました。

叔父の家の敷地内にある空き家に2週間滞在します。

鎌倉も自然の多い場所ですが、やはりスケールが
違います。海も山も、命でいっぱいです。

すれ違った中学生が「こんにちはあ!」と
挨拶する気持ちよさ。

子供達は3日目にしていつもとは違う解放感を
肌で感じているようです。

すぐ裸足になって岩や木があれば登る息子。
いままで息子がやる危ないことを「やめなさい」と
止めたことはほとんどありません。もちろん
見守りサポートすることは忘れません。おかげで
自ら少しずつ危険を確かめられるようになりました。





昨日も今日も誰もいない磯辺で遊びました。

潮だまりにいる小さなエビをたくさん捕まえて
持って帰ろうとすると、息子が一言、

「そのエビどうするの?」

私:「帰ったら揚げて食べるよ」

「かわいそうだから海に帰してあげたい」

私:「いつも食べてる魚も肉もみんな生きてたんだよ」


と突然どこかで聞いたことあるような命の授業開始。

結局持って帰ることに納得し、家で一緒に調理しました。

おいしい、おいしいとみんなで食べた後、

「生き物が体の中に入って僕の体の一部になる」
「命は僕の中で生き続ける」
「命をいただくことに感謝して食べる」
ということを自分の言葉で理解していました。

濃密な時間のはじまりです。

2014年5月7日水曜日

no race for the prize





母が高校生のとき、ある先生がこう言ったそうです。

「おまえたちは生まれてきた時点ですでにものすごい
競争を勝ち抜いてきた。だから自分に自信を持て。」

男性が1回に射精する精液の中には、2~5億もの精子が
含まれているそうです。その大半は、子宮頸管の粘液や
子宮内膜の白血球のために死滅し、無事に卵管の上の方に
たどり着けるのは、100にも満たないそう。さらに
着床出来るのはほとんどが1つ。

そんな奇跡を経て生まれてきた私たち。

自分自身の成長においても、子育てにおいても、つい
人と比べたり、競争を意識してしまう私たち。

生まれてきたみんなが、同じくらいすごい。
そして生まれてこなかったみんなの上に在る
「有り難い」命。

かけっこやテストをなくすとかいうことではなく。
比較からうまれる価値観じゃなくて、もののけ姫風に言えば
「曇りなき眼(まなこ)で見定め、決める」ような人生で
あってほしいと思います。

毎日イライラしたり、疲れることも多い子育てですが
ときどき命に思いを馳せ、心を落ち着かせています。

2014年5月6日火曜日

あの場所へ





手仕事をめぐる旅がなかなか再開しない日々ですが・・・

今週から2週間鹿児島の阿久根に滞在する予定です。

父が小さい頃に住んでいた場所に今は空き家があり、
現在は叔母が畑仕事に使っているのですが、その家に
私たちはこれまで2度滞在しました。

いろいろな思い出のつまった家に、また戻ります。

どこまでも続く緑と、どこまでも続く海のある場所。
こどもたちの心が解き放たれる場所。

なかなか更新できないと思いますが、ときどきブログに
写真などを載せたいと思います。

6月からはFUMOTO KIDS CLUBも再開予定です。



2014年5月3日土曜日

ドンゴロス





ドンゴロス、とは農作物などを入れる目の粗い麻袋のことだそうです。

「アトリエぬいや」から我が家に連れて帰ってきた飾り布の生地には、
南米でお米などを入れるために使われていた麻袋が使われています。

モノのない時代、浜松の染色家・山内武志さんは生地が手に入り難かった
ため、ドンゴロスのコメ袋を安く手に入れて染めていたそうです。

山内さんといえば型染めの作品を思い浮かべますが、この飾り布は
生地を折りたたんで板に挟み、締め付けて染めた「板締め絞り」。

繊細で日本らしさを感じさせる型染めの数々を見た後で、力強く、
素朴で多国籍な印象をもつこの布を見たときの衝撃は大きかったです。
手仕事フォーラムのブログでも紹介されていたのを見て、ますます
連れて帰りたくなってしまいました。

部屋に飾ってみると、やっぱり、とても、素敵です。
麻の不揃いな生地、暖色と紺のコントラストが部屋に温もりを
与えてくれます。

不思議なものでたくさんの手仕事や民藝にまつわるものを見ていると
より「力強さ」を感じるものが魅力的に感じられるようになってきました。

感性は人それぞれですが、時代を生き抜く力強さを見出す目を磨いて
いきたいと思います。