2013年2月1日金曜日

手仕事との出会い




私と手仕事の出会いは、忘れることが出来ません。
亡くなった次男の骨が入った、火葬場でいただいた骨壺が
どうしても好きになれず、しばらく自分のそばに置くのなら
素敵な骨壺に入れてあげたい、と思い、「もやい工藝」で
探したことがきっかけでした。

そしてそのとき見つけたのは、出西窯のきれいなブルーの
入れ物でした。一緒にお香立ても見つけることができました。
本来どのようにして使われるものかは定かではありませんが、
今思うとちょうどそれらが見つかったのは運命のような
気がしてなりません。
それ以来、何度もお店に通っていますが、同じものを
見かけたことが一度もないのです。

それからお店を訪れ、置いてある手仕事の品々の美しさや
力強さ、素朴さ、使い勝手のよさにどんどん惹かれて
いきました。そしてお店に置かれていた冊子に書かれた
ひとつの文章が、「こうなってほしい」と思っていた
日本を具体化していることに気付きました。

会報「SILTA 1号」より抜粋

--------------------------------

手仕事フォーラムがめざすもの

現在の私たちが享受している物質的な「豊かさ」は、環境破壊の
上に成り立っていることを否定するわけにはいきません。
天然資源の乱獲・乱伐や廃棄物による自然環境の汚染という
直接的な破壊だけではありません。「豊かさ」を求める人間の
巨大なエゴは、時として戦争という最悪の環境破壊を引き起こす
こともあります。
こうした世紀末的な状況に直面し、「破壊の速度を緩めなければ
ならない」という運動が各方面で起こっています。しかし、
私たちが、環境破壊を前提とするライフスタイルを根元から
断たなければ、問題を解決することは出来ないでしょう。

人間が、その能力以上のことを行えなかった時代の人間の生産行為
ー手仕事のものづくりーは、そのまま自然の営みの一部として、
自然界の現象や生態系と共存していました。ところが技術の発達
により、資源の収奪が可能になった現代の工業的なもの作りは、
自然を破壊し、ひいては人間の未来をも奪おうとしています。
先端技術をひていするわけではありません(実際、使い方さえ
間違わなければ、技術は素晴らしいものです)。しかし、
私たちが環境破壊を前提とする豊かさではなく、真の豊かさを
目指すならば、かつて自然と共生していた時代のものづくりの
価値の大きさを無視するわけにはいかないでしょう。
消費者が変われば社会は変わります。「生活の基本である
衣食住には、環境破壊をひきおこさない手仕事の品をとりいれる」
というふうに、私たちが生活スタイルをほんの少しだけ工夫する
ことがやがて大きな力となり、自然と対立する現在の文明の
ありようも改善されていくのではないでしょうか。

--------------------------------

他の国のものに染まってしまうのではなく、地域の特色を
生かす経済。消費することで大企業ではなく、地域の歴史
ある文化が活性化する社会。環境を壊すのではなく
持続させる工業・・・。

「消費者が変われば社会は変わる。」
手仕事のものにかかわらず、より多くの人がこの言葉を
思い浮かべながら、衣食住にかかわるものを購入するように
なればいいな、と思います。

誰かに使われてきたもの。
環境を壊さない素材でできているもの。
修理ができて繰り返し使えるもの。
長持ちするもの。
美しく、ずっとそばに置きたいもの。

今後もときどき、手仕事にまつわることを発信していきます。

0 件のコメント:

コメントを投稿