2015年7月9日木曜日

Bridge the world





先日、故 久野恵一さんのお別れ会に参加させていただきました。
大勢の作り手の方も見え、本当に大きな人を失ってしまったのだと
改めて感じました。

久野さんは単なる一民藝店の店主ではありませんでした。
というかほとんど店にいませんでした。
月に数日以外は日本全国の窯元や作り手のもとを訪れ、
商品を選ぶだけではなく、健全な手仕事を未来に残すため
手仕事調査を行い、作り手の方と信頼関係を築き、
親身になってアドバイスをされました。
また、民藝館展への出品、展示会、雑誌・新聞掲載等を
通じて、消えつつあった多くの手仕事に光を当てました。

柳宗悦亡き後の民藝は、骨董的な「もの主義」や精神論的な
ものに傾き、民藝が特殊な世界であるかのようになってしまいました。
各地の風土の中で生まれ、生活に寄り添っていた道具は、
いつの間にか「誰の作品か?」「この作家のものだから美しい」
といったものに変わってしまいました。

本来の民藝運動が目指した「日本の良き手仕事を残そう」と
いう意志を引き継ぎ、作り手と使い手の距離を縮めるために
徹底したフィールドワークを行い、作り手が現代生活にも
対応して行けるようプロデューサー的なことを行ってきたのが
久野さんでした。いわば「かけ橋」のような人でした。

「現代に合わせること自体が悪いわけではない。大事なのは、
つくるものに地域性を反映させているか、これまでの技を
きちんと継承していけるものか、用のための造形をくみとって
いるか、ということ。この3点が、今後健全な民藝の仕事を
継続させていくための指標となる」
と久野さんは「民藝の教科書」の中で語っています。

日本の手仕事文化は、農業の衰退や環境破壊、地域の活性化などの
問題と直接つながっています。
久野さんが人生を捧げて守ろうとした手仕事という日本の文化を
本来の形で子供たちに繋げるため、私も尽力したいと思います。

そんなわけで今後はFUMOTOブログを一旦お休みして、
手仕事方面により力を入れて行こうと思い至りました。

引き続きmoyais online shopや手仕事フォーラムブログで
記事を更新していこうと思います。
FUMOTOでいくつか書いた「手仕事の日本めぐり」は今後
違う形でまとめたいと考えています。
どうぞよろしくお願いします。

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